ボクシング含めスポーツ興行は一部再開されているものの、新型コロナウイルス感染はなかなか終息に向かわない。延期後の日程が決まらないジョンリエル・カシメロ戦、そしてその後は? "モンスター"の動向が気になる…
井上 博雅
Hiromasa Inoue
PacmanからMonster
TOP RANKと契約し、アメリカでもその名を知られる存在となっている“モンスター”井上尚弥(大橋)は、フィリピンの次期大統領に立候補? とまでいわれているマニー・パッキャオに次ぐ、超メジャーなアジア出身ファイターとなるか。
各メディアの《Pound For Pound》ランキングでトップ10入り、バンタム級ではもちろん最上位。試合ぶりもよく、タイトルだっていくつも獲っている。
まだ「ない」ものが井上にあるとすれば――やはり一部でも言及されている通り、実力が拮抗した、複数の《ライバル》との対戦だろう。
パッキャオには、いた。2003年11月のマルコ・アントニオ・バレラ戦以降、バレラのほかファン・マヌエル・マルケス、エリック・モラレスというメキシコのエース級とは計9戦し、トータル6勝2敗1分。バレラ、マルケス、モラレスの間で闘い合うライバル関係も熱かったが(マルケス×モラレスだけ対戦ナシ)、パッキャオがからむと濃密さはさらに増す。
Monster's League Boxing !?
このときにも触れた2つの対戦表を、パッキャオを中心にミックスしてみたら、いちばん濃くて熱い。
バレラたち以外とも好ファイトをしているし、シェーン・モズリーやオスカー・デラホーヤ、そしてフロイド・メイウェザーと、階級を上げてからの試合もよかったが、メキシコの3人と渡り合っていた頃のバネとイキの良さは出色だ。
そして、NAOYA INOUE。
延期後のスケジュールがなかなか決まらないが、対戦予定のジョンリエル・カシメロほか、現時点でバンタム~スーパーバンタム級周辺にいる強豪たち(これから台頭するホープも?)と、後にこういう星取表を作るようなホットなライバル関係を築けたら、そしてパッキャオのように"首位"に立つような結果を出し続けられたら――
昨年大激戦を演じ、再戦の可能性もある(?)ノニト・ドネア以外、こうした対戦表を作れるような面々との対戦は、いまのところまだない。
しかしロベルト・デュランがシュガー・レイ・レナードを破った時点では、のちにリーグ戦のごとく闘い合い、語り継がれるようになるという想像は、たぶん本人たちでもできなかった(と思う)…ように、まだまだ、これからだ。
なのに…ウイルス感染拡大が止まらない現実が恨めしい。
2020.07.22
Photo : H.Inoue
Comments