東京と大阪、ヒューストンとフィラデルフィア。日米ともに、長いレギュラージーズンを勝ち抜いたチームによるポストシーズンが佳境。頂点を争う最終段階に入っている――
井上 博雅
Hiromasa Inoue
ヒューストン・アストロズもフィラデルフィア・フィリーズも、ともにリーグ優勝決定シリーズを早く勝ち上がったことで4日も間が空いてしまったが、28日(日本時間29日午前)にようやく、MLBワールドシリーズが始まる。
リーグ最高勝率の106勝をあげたアストロズと、87勝で、1枠増えたワイルドカードで“最下位”のシードからポストシーズンに進出してきたフィリーズ。
レギュラーシーズンの単純な勝利数の差は19。ワイルドカード枠が設けられた1995年以降では、最も差のあるチームによる最終決戦となった(日本だったらレギュラーシーズンは何だったの? みたいな声が少なからず聞こえてきてしまうことだろうか)。
昨年のナ・リーグMVP、ブライス・ハーパー擁するフィリーズは、同じく昨年ア・リーグMVPとなった大谷翔平が所属するロサンゼルス・エンゼルスと同様、6月に監督が解任される苦しいシーズンだったが、指揮官交代後の展開は正反対…というのは余談。
できれば第7戦、せめて第6戦まであってほしい、といつものように願うばかり。
一方すでに始まっている日本シリーズは――
2勝2敗1分。去年と同じヤクルトスワローズとオリックス・バファローズによる熱戦は、きょう29日に神宮球場で第6戦が行われる。
1試合が引き分けになっていることで第8戦にもつれ込む可能性がある日本と、勝敗が決するまで延長イニングを戦うメジャー。引き分けをつくろうとしないメジャーのやり方が個人的には好きだけど、これまで1度しか実現していない「第8戦」をまた見てみたくなっているという思いを抱いてもいる。
もっと言うと「延長回は、第7戦までの各試合では12回をもって打ち切りとし、第8戦以降は延長回の制限を設けない」と記されたNPBの開催要項を読み、第6戦と第7戦も引き分けに終わるかも知れない現時点では、第9戦、さらには第10戦が行われる可能性さえある…そんな想像までしている。
ないとは言い切れないような、昨年同様接戦つづきのシリーズ。沢村賞投手・山本由伸の先発登板が回避されたこと、そして第8戦まであるとしても、そこまでホームで戦える分、ヤクルトが少し優位に立っていると思うが、どうなるやら…
2022.10.29
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