お客様はミステリー
- H. Inoue
- 2020年7月16日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年7月18日
こんなことで、ほんとにサービス向上につながるなんて思ってるのか――って、思ってるからやってるのか。ミステリーショッパーの餌食になって“指導”をうけるというのは、とても虚しい…
うらごろー
Uragoro
虚しさと切なさとバカバカしさと
顧客満足度向上のための課題を明らかに、などと称した「調査」を外部に依頼し、接客サービス改善や商品の品質向上に役立てる――という名目の、俗に「ミステリーショッパー」といわれるシゴト(?)をする人に翻弄されることもある私たち。
以前勤めていたところでこの“標的”になってしまったことがあり、「なんだかなァ…」と虚しく、とてもイヤな気分になったことを思い出す。最近、あたってしまった同僚に概要を聞いてみたら、電車内での遺失物や、ICカードに関する問い合わせなどを受けるという、自分のときと似たようなストーリーでのやり取りだったらしい。
採点項目も多く、あれをしてくれなくて残念とか、これを案内されなくて不満とか、困っているのに寄り添う言葉がなかったとか、やさしさを感じない冷たい対応だった etc. etc. が“レポート”にまとめられ、それをもとに後日指導を受ける。

真偽不明ながら、大半をバイトにさせてる? らしい、などと聞くと、空しさはさらに増す。
調査・報告する人がバイトでも社長でも、悪くなった気分がよくならないことに変わりはないんだけど…
おめでたい…
気を利かせたつもりで、よかれと思ってしたことでも、調査員が想定していたストーリーにない対応だったために減点されたことがありましたよ、と苦笑する同僚もいた。
そこに商機がある=ビジネスになると踏んだ先見性、実際にこの仕事を興した人の実行力には、純粋に関心する(ウィキペディアによると、想像していたより歴史があるビジネスだった)。しかし、人の揚げ足とって得意げにカネを取る「仕事」にそれなりの需要があり、そんなのをありがたがって何度も依頼するなんて関係が成り立ってるって…
自分には健全じゃないと思えてしかたがないというか、ちょっと気味が悪い。
安くないカネをわざわざ払い、身内にダメ出しする。現場を委縮させ、従業員の心身をも疲弊させていることに気づかないばかりか、こんなことでそれぞれが仕事の質を上げよう、もっと頑張ろうと考えるようになる…と思ってる面々には、あらためて「おめでとうございます」と申し上げるしかない。
2020.07.16
Photo : Uragoro
Comments